ナショナル ジオグラフィック日本版 2011年10月号
エシックは大学時代、世界的な写真家のアンセル・アダムスに自分の撮った作品を送り、批評を求めたことがある。ファンからのこうした依頼は相手にされないのが普通だが、何とエシックは返事を受け取り、カリフォルニア州カーメルにあるアダムスの自宅に招かれた。そんな“師匠”のスタイルを模倣して撮ったのが今月号のモノクロ写真だと彼は話す。「アンセルの美学に敬意を表しました」 ――キャサリン・ザッカーマン
レンズの裏側
――この激しい吹雪の中でなぜ撮影したのですか?
エシック:アンセル・アダムス原生地域は通常、夏に訪れる場所ですが、今回は真冬の2月に行きました。1年で最も厳しい季節の風景を撮りたかったんです。このマツの木の前をスキーで通ったとき、風速は20メートルを超えていて、視界はほとんどありませんでした。写真を通して、この地域の荒々しさがよく伝わると思います。
――雪や風の中での撮影は大変だったでしょう。
エシック:二人のベテランガイドを雇いました。気温は氷点下18℃。カリフォルニアではなかなか経験できない寒さです。自分たちで雪の斜面に穴を掘って、風や雪をしのぎました。入り口は狭く、中も三人が横になれるほどの広さしかありません。吹雪のときは入り口や空気穴が塞がれないよう、交代で雪かきをしました。 雪が1メートル以上も積もっていて、重さ20キロの荷物を背負ってスキーするのもひと苦労でした。スキーは久しぶりだったのですが、自分では上手なほうだと思っていたんです。でも、初心者並みにしか滑れませんでした。
米国を代表する風景写真家アンセル・アダムス。彼が生涯愛し続けたシエラネバダ山脈を訪ねる。
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