「タイ洪水をもたらした大雨は予測できていた」

 すなわち、今年インドシナ半島に平年以上の大雨が降ることは、気候予測情報からわかっていた。もしタイ政府がそれを知り、雨季が訪れる以前にダムの水量を減らしておいたならば、今回のような大洪水は避けられた可能性が高い。要はそこがタイ政府のミスマネジメントだといえるのである。

 かつて、オーストラリアでダイポールモード現象の影響と考えられる極度の乾燥が発生した際、当時のオーストラリア政府にはダイポールモード現象についての理解がなく、有効な手を打てなかった。しかし現在ではオーストラリア政府や産業界は、山形氏らが発表する予測データを気候予測に活用しているという。タイ政府にこの理解があれば・・・・・・という点では、残念なことといえる。

 ところで、今回のインドシナ半島の豪雨は、異常気象だったのだろうか。

 「今回、ラニーニャ現象はかなり強いものでした。ダイポールモード現象についてはとくに強いわけではありませんでしたが、ラニーニャが強かったということで、組み合わせが悪かったということだと思います。ただ、これまではダイポールモードとセットで起きるのはエルニーニョだという見方が多かったのですが、ラニーニャ現象との同時発生が見られたのですから、その意味で特に異常だったといっていいでしょう」

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