第3話 JAMSTECへの道 後編
その1 「覚悟」こそ「青春を賭けること」
そもそもこの連載は「青春を深海に賭けて」というウレシハズカシな題名の、爽やかで愉快なんだけれどもホロリもあるヨ、といった四畳半的青春ショーセツ風の話しをバシバシ進める予定だったのですが、おっさん研究者の現体験記がついつい多くなってしまいました。
先日、とある学会で、ワタクシが長ーい学生時代を過ごした京都大学農学部がある北部キャンパスをずいぶん久しぶりに再訪しました。建物の中身はだいぶ変わっていましたが、外観はすこしキレイになったぐらいで、「京都の料理屋で出されるギンナンはすべて京都大学産である」とまことしやかに語られるほど立派な銀杏並木もそのままで、あの「きらきら、もんもん、ざわっざわっ」していた若気の日々をすこし懐かしく思い出しました。
深まる秋の夕暮れ、そんな京都大学北部キャンパスの銀杏並木をシズシズと歩いていると、1997年の10月、この京都大学農学部を離れ、JAMSTECに殴り込みをかけたこと、もうJAMSTECに移ってから14年もたったこと、などのメモリーがついつい頭を駆け巡り、
花の色は うつりにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせしまに
現代語訳
「かつては絶世のテンサイよ、そらそうよ、と謳われたワタシも、みっともなく老けこんでしまったものね。研究費だの人事だの、雑事との関わりのようなことに気をとられてあくせくしているうちに...」
思わずこんな変訳の小野小町の歌などひとりごちてしまふ秋は来にけり、という心象でした。


















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