第3話  JAMSTECへの道 後編

その3  この研究を深海熱水でやりたい!!

前回まで:そろそろ次のキャリアパスが気になる博士課程3年の夏、高井研は国際学会「Thermophiles(好熱菌)’96」に参加するため米国ジョージア州を訪れていた。「日本人研究者のアッシー君となって、将来の保険も」などと、木下藤吉郎ばりの秘策も用意しつつ・・・。

Thermophiles’96は、ボクにとっての最初の本格的な国際学会だった。そして、ボクにとってはある意味、夢のような時間だった。それまで論文でしか知らなかった有名研究者が、ゾロゾロ出てきて発表していた。

「あの人のプレゼン、カッケーなあ」とか「うわー、もうそこまで研究進んでんのー!」とか、いちいち感動しながら、時には手を挙げてつたない英語で質問したり、発表後に話しかけに行ったり、とにかく積極的だった。今の自分から見ても、あのときのボクはホントに素晴らしいガッツだったと褒めてあげたくなる。

もちろん木下藤吉郎作戦もずばりはまっていた。将来のキャリアパスの取引の保険になったかどうかは分からないが、多くのジャパニーズ研究者と(少なからず大物研究者とも)仲良くなれた。

もちろん口頭発表だけじゃなく、ポスター発表も全部見た。多くの発表は、その時ボクが研究していた超好熱菌に関するモノだった。可愛い女の子の発表なぞ、意味もなく絡んだりして、国際的若手研究者っぽい気分を味わっていた。自己投資してよかったー。

ボクの木下藤吉郎ばりの秘策の餌食となった大物ジャパニーズ研究権力者。写真には、超好熱菌の大物研究者、今中忠行先生が写っている。エクスカーションのかわりに、今中先生と世紀末覇王ノムラ君とともにアトランタにある「ホットランタ」というパラダイスを目指した小旅行中の写真。
(提供:高井研)

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