第53話 子馬搬送で、ちゃっぽん、ちゃっぽん

 子馬は生きていた。

 立ち上がれずに横たわったままだけれど、エリーは踏みつぶしたり、寝転んで圧迫したりしなかったのだ。

 私は大きな賭けに勝ったように喜んだ。すると、ビルがやって来て言う。

「子馬は、入院することになったよ」

「え?」

「24時間体制の馬病院だ。子馬が立てない原因を調べなければならないからね。もしかしたら、立てないのは、足の骨や腰椎に異常があるのかもしれない」

「異常?」

 私の喜びは一転して、再び霧のかかる深い森を歩いていくような不安の中に落とされた。

「もしも異常があったら、覚悟しなければならないよ」
 ビルは、再び厳しい顔で言う。

「覚悟?」

「そうだ、覚悟だよ……」

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