第5話  地球微生物学よこんにちは

その5  海底下生命、そらウチでもやらなあかんやろ!

前回まで:ドイツに留学しよう。そこで一子相伝の研究手法を習得し、深海熱水研究に打ち込もうと、すっかりその気になっていた高井研さん。ところがそこに、巨大国際研究プロジェクトのうねりが押し寄せてきたのでした・・・。

ボクがJAMSTECに来て1年ちょっと経った1998年が終わろうとしていた頃、JAMSTECでは巨大な新しい奔流が沸き上がっていた。地球深部探査船「ちきゅう」の建造が決定し、国際深海掘削計画(ODP)に続く巨大国際研究プロジェクト「統合深海掘削計画(IODP)」を、日本が主導国として、そしてJAMSTECが中心研究機関として推進してゆくことになったのだ。

1985年から始まったODPでは、アメリカが中心となって、世界中の海洋底を掘削し、海洋底および地球環境史の科学的解明が進められてきた。例えば、恐竜絶滅の巨大隕石衝突原因説を裏付ける数々の証拠の発見などは、ODPの輝ける成果として喧伝されている。

一方ではODPの研究成果により、それまでは「生命なんて絶対いねえよ!」とタカをくくられていた深海底のさらに深く海底下の泥や岩石の中に「ゲェー、こんなに微生物がいたの?」と言うくらい微生物が存在していることも分かりつつあったのだ。

そんなわけで1999年には「陸域地下と海底下こそ、地球最大の生物圏なのだ」という論文が発表され、にわかに注目が集まりはじめていた。

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