第5話  地球微生物学よこんにちは

その6  人生最大の恐怖体験

前回まで:2回目の留学でアメリカ・ワシントン州にある、海から遠く離れた研究所で過ごし、「地球微生物学」という新しい研究分野の虜になった高井研さん。でも、そこで人生最大の恐怖体験に遭遇するのでした・・・・・・。

結局、パシフィックノースウエスト国立研究所でのボクのスパイ活動武者修行は、「2000年10月にJAMSTEC海底下微生物研究グループを立ち上げるから帰国せよ。異論は認めない」という再びのギョーム命令により終わりを告げる事になった。

この2回目のアメリカ滞在中で、どうしても忘れられないエピソードが2つある。それだけを書き記して、新章「JAMSTECの拳―天帝編―」に移ろう。そうしよう。

一つはボクの母親が砂漠の田舎街、リッチランドに遊びにやってきたときのことだった。たぶん1999年の晩秋だったと記憶している。砂漠の田舎街リッチランドは2、3日滞在してしまうともはや見るべきものがなくなってしまう程何もないところだったので、長期滞在型の来客があった場合、3時間ほどドライブしてシアトル近辺に出かけるのが定番だった。

その時もいったんシアトルに行った後、ワシントン州フェリーを使ってポートタウンゼントやポートエンジェルスを経由して、カナダのビクトリアへ渡り、再びワシントン州フェリーで、アメリカのフライデーハーバー(2008年ノーベル化学賞を受賞した下村脩博士がまさにオワンクラゲを研究していた研究所がある場所)、アナコーテスを巡ってシアトルに戻ってくるという旅程を立てた。

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