第6話  JAMSTECの拳―天帝編―

その5  「生命の起源」研究は別腹で!

前回まで:JAMSTEC居候の研究員としての任期満了をひかえ、留学から帰国した高井さん。どうやら3年目以降は「正式研究員」としてやっていけそうな言質を得た。しかし、問題はもう一つあった。留学前からの懸案「次に何を研究するか」。高井さんは大きな選択を迫られていた・・・。

二つ目の懸案事項も、今書いた事と関係しているモノだった。

ボクは1997年秋にJAMSTECに来てから最初の1年半で、遺伝子を使った方法論によって、深海熱水環境に始源的な古細菌(アーキア)をはじめ多様な微生物が生息していることを明らかにした。

だが、このころから「次の研究をどーするか」はとても大きな懸案となっていた。結局アメリカへ2回目の留学をするのだが、1年経って実際アメリカから帰ってきたからには「次、どーする」の答えをそろそろ出さないといけない状況だったのだ。

情熱と冷静のあいだ

ボクが最初に深海熱水に魅せられた理由である「深海熱水から地球生命は誕生した」という大きな命題に対して、「どうやら遺伝的に始源的な古細菌(アーキア)が生息している」という確かな一歩は踏み出せた。そして、その始源的な古細菌がナニモノであるかを明らかにするためには、まずソイツらを一撃必殺で培養・分離する事が一番の近道であることは間違いなかった。

しかし、それは極めて難度の高い研究でもあった。

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