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石油景気に沸く JUNE 2008 |
文=ポール・スタロビン 写真=ゲアード・ルドウィッグ いまや世界最大の産油国となったロシア。その石油生産の7割を担う西シベリアの町は、好況に沸く一方で、不法移民などの問題も抱えている。夜中の12時を回っただろうか。 レストランのダンスフロアでは、何組もの男女が、歌手の甘い歌声に合わせてゆったり身を揺らしている。「ザ・ナス、ザ・ネフト―私たちに、石油に乾杯」 好景気を支えるのは、ロシアの石油生産の約7割(1日約700万バレル)を担う西シベリアの油田地帯だ。中央部のハンティ・マンシ自治管区はフランスとほぼ同じ面積。かつては辺境の地だったが、いまでは潤沢な資金が流入し、欧米並みの生活も夢ではない。 行政の中心地ハンティ・マンシースクには、空港ターミナルや美術館、数学と芸術の英才教育校など、真新しい建物が並ぶ。自治管区の主要都市スルグトも、数十年前までは田舎町にすぎなかったが、いまでは渋滞が起きるほど車が増え、郊外の住宅開発も進んでいる。 だが、にわか景気に浮かれていては、さらなる発展のチャンスをのがしかねない。西シベリアの石油生産はここ数年伸び悩み、2004〜07年の産油量は、ほぼ横ばいだった。 ちょうどこの時期、ロシア政府はいったん民営化した油田のうち、とくに生産性の高い油田を再び国有化した。それまでは、オリガルヒと呼ばれる新興財閥がこうした油田を握り、多額の資金を投入した。しかし、政府は石油を国家財政をうるおす資源としてだけでなく、ロシアが超大国に返り咲くための政治的なかけひきに利用しようとしている。こうした強引な石油外交に嫌気がさして外国資本が逃げだせば、結果的に景気に悪影響を及ぼしかねない。 |
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